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「文化財×映像テクノロジー」物語が動き出す瞬間

更新日:1月26日

皆さん、こんにちは。

もし歴史の中を自由に歩き回り、藩主(大名)たちと直接会話できるとしたら、皆さんにとってどのような体験になるでしょうか?

唐突な投げかけですが、文化財を継承にはある種のカタ破りが必要だと感じています。

旧態依然とした“守り”のマインドでは時代の波に乗り遅れてしまい、その価値を半減さえかねない。

つまり、顧客視点でニーズを捉え、より魅力的で持続可能な商材に仕立て上げる必要があるのです。

さらに重要なのは、次世代を担う“若者”に対し、その価値や魅力をいかに伝えられるかということ。


今回ご紹介するのは、プラミッドフィルムクアドラ社(以下:PFQ)が開発した映像テクノロジーです。

現実の空間とCGを融合させた「没入型体験」を提供するこの技術は、文化財に新たな息吹を吹き込む可能性を秘めています。


猫見障子に見る「体験型映像」の力

PFQの成功例として挙げられる「猫見障子」は、障子をスクリーンに見立て、CGや最新テクノロジーを駆使した映像コンテンツです。

出典元:PYRAMID FILM QUADRA INC



【猫見障子 紹介動画】


ご覧のように視聴者が映像内を自由に移動しながら物語を探索することで、単なる“鑑賞”を越えた“体験”として映像世界に没入することができます。

このアプローチを御花に導入するとどうなるか、以下のような可能性を考えました。


①歴史を自由に歩く体験

 文化財を舞台に、歴史的出来事をCGで再現し、訪問者が自由に視点を切り替えながら

 映像空間を楽しむことができる。

 例:大広間での戦略会議や庭園での茶会を再現


②見えない魅力の可視化

 普段は公開されていない建物内部や修復作業の状況を映像で公開し、訪問者が自由に

 映像空間を探索できる。

 例:文化財の内部構造や修復過程の可視化


③オンラインでの新しい価値提供

 海外の視聴者や遠方のユーザー向けに、オンラインで360度映像を配信し、文化財の

 魅力を広く発信。

 例:四季折々に変化する庭園を自由視点で楽しむ映像

   バーチャル空間を利用したサロンを展開


これらを踏まえ、「歴代立花藩主の復活」をテーマに、ゲストが好みの藩主を呼び出し会話することができるとしたら・・・

あなたの一言によって歴史が動き出し、文化の未来を紡ぐ第一歩になるかもしれません。


使用する空間としては、客室や料亭個室がイメージできます。


以下、柳川藩主立花邸 御花の客室および料亭。

↓ ↓ ↓ ↓


三方よしのメリット

これは御花に限る話はなく、古民家や寺社仏閣においてもその可能性を秘めています。

PFQが提供する技術を文化財の新たな活用法として導入する際、文化財の主体者、ユーザー、地域、これら三者が得られるメリットはどのようなものでしょう。


①文化財主体者にとってのメリット:「文化財保存活用の革新と発信力の向上」

 PFQ技術の導入により、新たな価値提案が可能になります。

 ・発信力の強化

  ∟映像コンテンツをSNSやウェブサイトで発信することで、国内外の関心を引きつける

   プロモーションが可能。視覚的で没入感のある映像体験が人々の心をつかみ、御花

   (文化財主体者)のブランド価値を高めます。

 ・文化財保存活用の効率化

  ∟修復過程や保存活動を自由視点映像で記録・可視化することで、活動の透明性を高め

   るとともに、支援者やスポンサーに共感いただくための説得材料として活用できま

   す。

 ・収益モデルの多様化

  ∟映像技術を活用したオンライン体験やデジタルアーカイブの販売を通じ、新たな収益

   源を生み出せる可能性があります。


②ユーザーにとってのメリット:「新しい文化財体験と理解の深化」

 映像体験によって、ユーザー(訪問者やオンライン視聴者)に以下のようなメリットを提

 供します。

 ・没入感のある体験

  ∟ユーザーは360度映像や自由視点で、文化財の世界に入り込むような体験が可能にな

   ります。歴史的な出来事や建築様式の詳細などが理解可能となり、立ち寄り観光では

   得られない感動を提供します。

 ・アクセスの向上

  ∟遠方の人々や身体的な制約を持つ方でも、オンライン上で文化財の魅力に触れること

   ができます。これにより、観光客流入や教育の機会が広がります。

 ・個人的つながりの深化

  ∟自由視点映像を通じ文化財の背景や物語に直接触れることで、文化財に対する「ジブ

   ンゴト化」が促進され、ユーザーの心に響く体験を提供します。


③地域にとってのメリット:「観光誘致と経済活性化」

 PFQ技術を地域の文化財や観光資源に取り入れることで、地域全体に以下のような恩恵を

 もたらします。

 ・観光地としての魅力向上

  ∟映像技術を活用することで、文化財訪問へのモチベーションとなり、新たな観光需要

   を生み出します。次世代の担う若者、特にインバウンドに対しては、文化財の背景や

   歴史を分かりやすく伝える手法として効果的です。

 ・地域ブランドの強化

  ∟映像コンテンツがSNSやメディアで注目を集めることで、地域全体の知名度向上やイ

   メージアップとなり、地域ブランドの強化につながります。

 ・地元経済の活性化

  ∟新しい観光体験が増えることで、地元の観光事業者をはじめ宿泊施設や飲食店への経

   済効果が期待できます。また、映像制作や観光サービスの提供に地元の人材を活用す

   ることで、地域内の雇用創出にも寄与します。


猫見障子が文化財の触媒となる

私はこの猫見障子に出会い、文化財の新たな価値や可能性について多くの気づきを得ることができました。

この没入型体験により、御花に来た人々は文化財に溶け込み、深い学びや感動を得ることが可能になります。

また、歴史や物語を可視化することで、次世代の若者との距離を縮め、遠方ユーザーなどに対しその魅力を届ける手段となります。

猫見障子が織りなすテクノロジーは、文化財の保護と活用を促進し、地域社会や観光産業にも波及効果をもたらす触媒となるのです。


ソーシャルグッド

猫見障子を通じて、物語が動き出す瞬間に立ち会えたような感動を覚えました。

ぜひ皆さんも、文化財とテクノロジーの融合を念頭に、文化財の未来・行く末を考えるきっかけにしてもらえればと思います。

自社の発展のみならず、ユーザーの感動体験、そして地域の活性化を同時に実現する「三方よし」のアプローチを考えることもまたソーシャルグッドと言えるのではないでしょうか。

 
 
 

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